【CCNA/CCNP】エンタープライズネットワークの要点を解説!

2022年2月11日

「CCNPの範囲である、エンタープライズネットワークの要点について知りたい。」

「ネットで調べても、難しい用語が多くて理解がたいへん。」

そんな方のために、できるだけ難しい用語はさけ、要点をしぼって解説していきます。

1. エンタープライズネットワークの要点

1-1. 階層型ネットワーク

  • L3デバイスを導入することでネットワークを分割し、データ転送の効率化を実現
  • 階層ごとにデバイスの機能を分担させることで、安価に高機能なネットワーク設計が可能
  • アクセス層、ディストリビューション層、コア層

1-2. スパイン&リーフ型ネットワーク

  • 階層型は縦方向のデータ転送、スパイン&リーフ型は横方向のデータ転送に強いネットワーク設計
  • 拡張性が高く、全てL3デバイスで構成されるためネットワークの安定性も高い
  • リーフ層とスパイン層

2. エンタープライズネットワークの解説

2-0. フラットネットワーク

フラットネットワークは、レイヤ2デバイス(L2スイッチ)で構成されたネットワーク設計です。

この設計でサブネットは1つのため、接続されるすべてのノードは、1つのブロードキャストドメインに属します。単一のネットワーク内でデータがブロードキャストで送信されると、全てのノードにデータが転送されます。そして、宛先以外のノードは、自身には無関係なデータに対してもCPUを使用しなければならなくなります。これでは、ノードの数が多くなるほどデータ転送の処理に時間がかかってしまいます。

2-1. 階層型ネットワーク

このフラットネットワークの欠点を解消したのが、階層型ネットワークです。

階層型ネットワークでは、レイヤ3デバイス(ルータやL3スイッチ)を使うことで、ネットワークを分けることができます。ブロードキャストで送られたデータは、レイヤ3デバイスを越えられないので、宛先とは異なるサブネットにいるノードに不要なデータが届かなくなります。各ノードで不要なデータに対する処理が行われなくなるので、結果としてネットワーク全体の動作が早くなります。

また、階層型ネットワークでは、各層の装置ごとに役割を分担させることで、より安価に高機能なネットワーク設計を可能にしています。階層はアクセス層、ディストリビューション層、コア層の3つに分けられます。

アクセス層

アクセス層はエンドユーザー(PCやサーバなど)を接続する層で、VLANを使ってネットワークの分割を行います。また、QoSの設定もアクセス層の装置で行います。デバイスはL2スイッチやL3スイッチを使用します。

ディストリビューション層

ディストリビューション層は、アクセス層とコア層を接続する層で、VLAN間ルーティングを行います。また、アクセスリストやパケットフィルタの設定を行うのもディストリビューション層です。L3スイッチなどのレイヤ3に対応した装置を使用します。

コア層

コア層はディストリビューション層の装置をつなぎ、高速なデータ転送と可用性を高める役割を担います。可用性とは、サービスを常に使える状態にしておくということなので、コア層がネットワークの屋台骨としてどれほど重要なのか分かります。L3スイッチなどのレイヤ3に対応した装置を使用します。

2-2. スパイン&リーフ型ネットワーク

前節でみたように階層型ネットワークは、ネットワークの分割や階層ごとの役割分担という利点を持って、企業や大学のキャンパスLAN設計における主役となりました。

しかし、サーバの仮想化が進むにつれ、はデータの横移動に耐えられる新たなネットワークモデルの需要が出てきました。そこで登場したのが、スパイン&リーフ型ネットワークです。

また、スパイン&リーフ型ネットワークは拡張性にも優れ、レイヤ3のプロトコルでトラフィックの制御ができることからネットワーク環境が安定するという利点を持ちます。

スパイン&リーフ型ネットワークでは、リーフ層とスパイン層のスイッチを全て接続します。宛先までのホップ数が常に同じになるので、データ転送の遅延が減り、待ち時間が予測しやすくなります。この時、スパイン同士、リーフ同士を接続してはいけません。

リーフ層

リーフ層は、エンドポイント(サーバなど)を接続する層で、L3スイッチなどレイヤ3に対応した装置を使用します。サーバなどを増やす際には、リーフ層にデバイスを追加します。

スパイン層

スパイン層には、リーフ層のデバイスをフルメッシュで接続します。装置はリーフ層と同様にレイヤ3に対応したものを使用します。帯域幅を増やす際には、スパイン層にデバイスを追加します。